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第2章 食事の介助 ~後編~
鹿児島老人ホーム・介護施設紹介センター事務員の「岩下」です。
第2章食事の介助「後編」をご紹介させていただきます。
第2章 食事の介助 ~後編~
■QuestionⅠ
「高齢者はどのくらいの量を食べればよいですか?」
・Answer①
性別や体格により個人差はありますが、高齢者が低栄養に陥らないために必要な一日の総カロリーは、ADL(日常生活動作)がほぼ自立の場合は約1500kcal、要介護度が高く全介助に近い人でも約1300kcalは必要だと言われています。高齢者は、1回の食事でたくさんの量をとることは難しいので、1日に約1500kcalの食事をとるためには、1日3回きちんと食事をすることが必要で、2回しか食事をしていない場合は、カロリーが不足している危険性があります。また、いつの間にか食事の量が減ってしまいやすく、気がつくと体重が減って体力や筋力が落ちていた、という状況を招くことがあるため注意が必要です。
・Answer②
高齢者のなかには、さまざまな理由でお粥を中心にした食事をしている人がいます。摂食・嚥下障害や口腔機能に障害があって、止むを得ない場合もありますが、食べやすいからという理由だけで粥食中心にしている場合、主菜にステーキや豚カツを食べているとは考えにくく、副菜がみそ汁や漬物だけというようなこともありますので、カロリー不足になる危険性があります。摂取している食事のカロリーはどのくらいなのかも考えた支援が必要です。
■QuestionⅡ
「食事の形態を変える判断はいつがよいですか?」
・Answer①
高齢になり、噛む力や飲み込む力が低下してくると困るのが今まで食べられていた食事が食べられなくなること。食は大切な健康を維持するためのエネルギー源だからこそ、高齢者の一人一人の状態に合わせた食事を用意する必要が出てきます。自立摂取ができる場合は普通の食事として、咀嚼が少し困難で見守りが必要な場合は軟らかく煮る程度にします。一部介助が必要で咀嚼が少し困難な場合や自分の歯がない、義歯がないような人にはきざみにして、嚥下が困難な人にはきざみにとろみをつけます。嚥下機能に障害があり、誤嚥の危険性が高い場合はミキサーにかけ、ペースト状にしてあげるとよいでしょう。
・Answer②
嚥下・咀嚼状態、口腔状態、本人の好みなど総合的に考えて判断しますが、軟らかくしたほうがよい場合もありますし、硬いままのほうを好み、意外に食べれる人もいますので、その人の好みに合った食事を総合的に判断しましょう。
■QuestionⅢ
「口腔体操をするのはどうしてですか?」
・Answer①
高齢になるにつれ、お口の働きは低下します。なぜ低下するのか、それはお口をだんだんと使わなくなるためです。なかには老化を防ぎ、いつまでも元気に過ごせるように、からだを動かす体操をしている人もたくさんいますが、口腔に関しては目に見えにくい部分のせいか、機能が加齢とともに低下し、まひなどがなくてもむせやすくなったりしていることには関心が薄いようです。また虫歯や歯周病により歯を失ってしまい、柔らかいものばかり好んで食べるようになると、お口のまわりの筋肉はますます動きにくくなってしまいます。口腔体操は、すでにまひなどによる嚥下障害のある人や高齢者による筋肉の低下などの方も誤嚥予防に必要な体操です。
・Answer②
口腔体操にはいろいろありますが、いずれも口腔周辺にある筋肉を動かすだけでなく、首や肩のストレッチなどを行います。初めに腹式呼吸で呼吸筋を鍛えて呼吸器官の活動を高め、首を回して筋肉を伸ばして血行をよくします。さらに肩周辺の筋肉を動かし緊張を緩和し、口を開閉したりすぼめたりして口腔周囲の筋肉を動かします。口腔体操には唾分泌を促進する効果もあります。口腔周囲筋のストレッチをすることは、筋肉の動きの改善につながり、お口の働きや誤嚥予防にもつながるのです。
■QuestionⅣ
「食卓の高さといすの高さは考慮が必要ですか?」
・Answer①
食事もできるカフェなどのお店に入ったときに、テーブルといすの高さのバランスが悪く食べにくかったという経験はありませんか。一般的にはテーブルの高さは70cm、いすの座面の高さは40~45cm位、その差が28cmというのが適当とされています。さらに、テーブルの角度が必要な場合もあります。しかし、テーブルに角度をつけることはできないので、「滑り止めシート」をテーブルやトレーに敷き調整します。また、こぼすのを防ぐ「エプロン」などもありますので、活用しながら自立した食事ができるようにしましょう。
・Answer②
規格どおりのいすやテーブルを使用していても、背の低い高齢者の場合は、テーブルが高すぎて、肘が上がり食べにくくなり、さらにお茶碗やお皿のおかずが見えにくくなり、必要な量の食事を美味しく摂取できにくくなる危険性があります。このような場合には、クッションなどでいすの座面を調整するとよいでしょう。ただし、柔らかすぎるクッションに長時間座ると姿勢の安定性が保てなくなる場合があるので、体圧を分散できるものを使用しましょう。
以上、食事の介助「後編」のご紹介でした。
鹿児島市の老人ホーム・高齢者住宅をお探しの方は遠慮なくお問い合わせください。
鹿児島老人ホーム・介護施設紹介センター
0120-947-896
第2章 食事の介助 ~前編~
鹿児島老人ホーム・介護施設紹介センター事務員の「岩下」です。
今回は「食事の介助」の素朴な疑問についていくつかご紹介したいと思います。
第2章 食事の介助 ~前編~
■QuestionⅠ
「誤嚥しやすい人とはどのような人ですか?」
・Answer①
誤嚥しやすい人のなかにはいろいろな人がいます。「食べる動作」に関連して必要なチェック項目としては、「お食事です」とゆう声が聞こえるか(聴覚)、目の前にある器が目に入っているか(視覚)、食べ物のにおいを感じているか(嗅覚)、食べる動作に障害はないか(運動機能)、かむ、飲み込むことに障害がないか(嚥下・咀嚼機能)、唾液の分泌があるか(唾液線)、口唇が閉じているかなどがあります。高齢者は、運動障害などがなくても誤嚥しやすく、食べ物を飲み込むときに活動する筋肉の働きが、加齢によって低下するのも原因の一つです。食事介助が必要でない高齢者でも、食べる動作から誤嚥を防げるようにしましょう。
・Answer②
介助の必要がない人や、見守りでよい人であっても、食事前に唾液が出ているか、唾液が飲み込めているかを確認するとともに、食事の姿勢、テーブルといすの高さは適切かどうかを判断することが重要です。また、嚥下しにくい食品(とろろ、こんにゃく、固ゆで卵、パン、もち、ピーナッツなど)は注意が必要です。意外なものとしては、高齢者にも人気の酢の物です。酢がきつ過ぎるとむせてしまうことがあります。麺類も、勢いよくすすったときに誤嚥してしまうことがありますので、短く切って食べるなど工夫しましょう。海苔などの海藻類は口のなかに張り付いてしまうことがあるので注意しましょう。
■QuestionⅡ
「視覚障害の人の食事介助で配慮することは何ですか?」
・Answer①
一般的にに弱視や全盲などの視覚障害のある人の食事介助では、メニューの説明はもちろんのこと、食事をのせているお盆の大きさや食器の感覚を触れてもらいながら、時計の文字盤の方向で献立の説明をします。あらかじめ食べ物の位置がわかれば自分の好きなものを自由に食べられ楽しい食事になります。
食事の原則は温かいものは温かく、冷たいものは冷たいままに食べるのがベストです。そのときに、注意しなければならないのは、温かいものを食べる際に熱すぎて火傷しないように気をつけましょう。また、食べ物が食器の隅に片寄ったり、残りがどれくらいかなど、言葉をかけながら会話のある楽しい食事の時間とするように心がけましょう。
・Answer②
魚の骨は取り除き、からしなどは好みに合わせて、あらかじめ塗っておくようにします。また、食品アレルギーなどがないか、食べてはいけない食品があるかなども確認しましょう。またお茶やコーヒーなどをすすめる場合は、手を添えて触れさせてあげると、安心して飲むことができます。「お茶です」と言ってテーブルに置くだけですと、手さぐりで探しているうちに、湯のみをたおし、火傷をすることもあります。お茶を入れかえたときも同様、声をかけてあげましょう。
■QuestionⅢ
「片麻痺のある人の食事介助で注意することは何ですか?」
・Answer①
片麻痺がある片が食事をする際は、以下のような特徴があります。
●座っているときに、麻痺している方に傾きやすい。
●麻痺している方の口の中に食べ物が溜まりやすい。
●動く方の手のみを使って食事をする為、食べ物を皿からすくい取りにくい。
●食べ物をこぼしやすい。
また、片麻痺の原因が脳の病気の場合は、誤嚥を起こす恐れもあります。健康な状態で食事を飲み込む時は、気管に食材が入り込まないよう、喉の蓋をする指令が脳から出されます。片麻痺の片の場合、この指令がうまく届かず気管の方へ食事が流れ込んでしまうことがありますので、こうしたことに配慮して食事介助する必要があります。
・Answer②
片麻痺の利用者の食事介助の場合、一般に麻痺側に座り、からだを寄せて介助します。この場合はまひのない側の口に食べ物を入れやすいという利点があります。口の中に入れる1回の量は、ティースプン1杯程度にとどめます。誤って気管に入ることを予防し、スムーズに食事を飲み込みやすくするためです。一口の量を多くしないで、喉の動きや飲み込み具合を見ながら、口の中に食べ物が残っていないことを確認してから、次の食べ物を入れるなど配慮しましょう。
■QuestionⅣ
「自助具を使うのはどんなときですか?」
・Answer①
自助具とは、ADL(日常生活動作)や仕事を遂行する際に障害等の理由で日常生活で困難をきたしている動作を可能な限り、自分自身であるいはより少ない介助で行えるようにするための道具です。食事は上肢や手、指など細かい動作の連続です。例えば、利き手が使えない人が食事をする場合、他者の介助を受けながら食事をするよりも、「時間が掛かっても良いから、自分で食べれらる」「人に迷惑をかけずに食事ができる」というのは食べる喜び、生きる喜びにもつながります。自助具は握力が弱い、利き手が使えないことでうまく食事ができない場合などにとても有効です。
・Answer②
自助具は、日常生活をより快適に送るための道具です。自助具には、食事、整容、更衣、調理、掃除など、さまざまな場面で使われるため、より個人の習慣や癖などに合わせることが求められます。例えば、食事の自助具には、吸い飲み、コップ、おはし、お椀、お皿、スプーン、フォーク、ナイフ、すべり止めマット、取っ手・グリップなどいろいろあります。市販品を改良したり、新しいものを制作するなど利用者にとって最適なものを準備しましょう。
(以下、後編にて)
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第1章 朝の目覚めの介助
鹿児島老人ホーム・介護施設紹介センター事務員の「岩下」です。
介護しながら、生活していくなかで誰にも聞けない素朴な疑問ってありますよね!
今回は、そんな素朴な疑問についていくつかご紹介したいと思います。
■QuestionⅠ
「朝の目覚めとベッド周囲の環境で気をつけることは何ですか?」
・Answer①
ベッドを使用する人もいれば、布団を使用している人などさまざまです。いずれにしても、起き上がるときの動作が楽にできるように、家具などを配置していたりするケースが多いようです。家具は立ち上がりなどの動作をする際に寄りかかったり、つかまるなど、動作が容易にできる補助用具になります。補助用具は安定したものを選びましょう。
・Answer②
立ったり座ったりの動作が面倒になり、布団やベッドの上部、周囲など手を伸ばせば届く位置に日用品を置いていたり、床に新聞やスーパーの袋、タオル、洋服などが散らかっていたりします。このような場合、うっかり踏んで転倒したり、落ちた物を拾おうとしてベッドから落ちたりなど、起床時や動作時の弊害になってしまいます。安全を考えた用具の配置や周囲の整理整頓が必要です。
■QuestionⅡ
「片まひのある人の目覚めで気をつけることは何ですか?」
・Answer①
まひ側は健側と比較すると循環が悪いので、起床してすぐには動きにくいことがあります。まひ側を擦ったり、マッサージなどをした後に動かすようにします。左半側空間無視は本人から見て左半分に存在する空間が見えているのに脳が認めることができない症状を言います。
日常動作ができるかどうかだけではなく、いろいろな障害を考慮した介護が大切です。
・Answer②
起床時に動きがスムーズにできないのは、まひのある人だけではありません。高齢になると、同じ姿勢が長く続くと関節が動きにくくなり、起き上がりや立ったり座ったりのときに痛みを感じたり、動作がスムーズにできないことがあります。
膝や足首の関節を擦ってあげることで、痛みが和らぎ動きやすくなります。
■QuestionⅢ
「睡眠薬を服用している人に気をつけることは何ですか?」
・Answer①
ぐっすり眠れると目覚めもすっきりし、一日を快適に過ごすことができます。反対に睡眠不足になると、疲労感を感じたり、集中力がなくなったりします。生活のなかで睡眠はとても大切です。しかし、高齢者の25~40%の人が睡眠障害を訴えると言われています。
高齢者になると、睡眠と覚醒のリズムが変わり、一日24時間の間に短い睡眠を何回かとる「多相性睡眠」になります。「多相性睡眠」になると日中の覚醒レベルが低下するために居眠りや昼寝が増加し、夜間にまとまった睡眠がとりにくくなってきます。そのため、夜になると睡眠薬を使用するケースが増えてくるのです。
・Answer②
薬は主に小腸から吸収されますが、高齢になると、胃酸の分泌量が低下し、腸の血流や栄養の吸収能力も低下します。薬の吸収の速度も低下し、薬が効くまでに時間がかかります。そのため、睡眠薬を服用している場合、起床時は確実に覚醒していることを確認しないと、移動や食事介助の際に、転倒や誤嚥の危険性があります。起床時にはしっかり声をかけ、覚醒していることを確認してから、次の援助をしましょう。
いかがでしたでしょうか?
次回は食事の介助の素朴な疑問についてご紹介したいと思います。
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ご挨拶
こんにちは、鹿児島老人ホーム介護施設紹介センターの田中です。
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