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軽度認知障害(MCI)ってなに?
鹿児島老人ホーム・介護施設紹介センターです。
◆軽度認知障害(MCI)ってなに?認知症初期症状との違いとは
誰しも避けたい認知症ですが、年を取るほど発症のリスクは高まります。高齢化が進む中、だれでもこの病気になる可能性があると思っておいた方がいいかもしれません。他方で認知症に関する研究も進み、近年では予防の方法や早期発見することで、症状を遅らせたり改善できることもわかってきました。このことから、認知症の対策は予防と初期症状を見逃さないことが何より大事だといえます。
自分自身または家族の物忘れや行動の変化などについて「これって認知症の初期症状では」と少し心配に思うことはないでしょうか?もしそうであれば、少しでも早く治療につなげたいものですし、もしくは認知症ではなくても何らかの対策が必要な段階かもしれません。そこで知っておきたいのが「MCI」です。
◆軽度認知障害(MCI)ってどんな状態?
経度認知障害(以下MCI)は、まだ認知症になっていないが、その一歩手前の状態で健常と認知症のグレーゾーンといえます。これは、記憶や判断、何かを実行する、ものごとの理由づけなどの認知機能の一つに障害が起きてはいるが、普段の生活を送る上では特に支障がないといった状態です。具体的な症状としては次のようなものがあります。
・以前から知っているはずのものの名前が思い出せず「あれ」や「これ」など代名詞を使って話すことが多くなった。
・最近、経験した出来事を思い出せないことがある。
・近頃の話題などについていけず、雑談がしにくくなった。
・約束したことや日時を間違える
・料理に手間取るなど、作業の段取りが悪くなってきた。
・習い事に行かなくなるなど、無気力になってきた。
◆MCIと認知初期症状の違いは
このようなMCIの症状を見ると、記憶の機能に関するものが中心であることがわかります。また、これらは認知症の初期症状のよに思えるかもしれませんが、MCIはまだ認知症にはなっていない状態です。MCIを区別する上でも紹介すると、認知初期症状には次のようなものがあり、これらの項目のうち4つ以上当てはまると認知症の疑いがあります。
・今日が何日か認識できないなど、いつも日にちがわからない
・さっき食事をしたことを忘れるなど、直近のことを忘れる
・最近聞いた話を思い出せない
・何度も同じことを言う
・以前に話したこをと忘れて、同じ話を繰り返す
・使い慣れた言葉や単語を思い出せない
・話の内容があちこち飛んで、脈絡がない
・こちらの質問を理解できず、話がかみ合わない
・会話を理解することがかなりむずかしい
・昼間と夜の区別といった時間の観念がない
・間違いを指摘されて言いつくろうなど、話のつじつまを合わせようとする
・質問されて家族の方を向くなど、家族に依存することがある
こうしてみると、認知症の症状はふだんの生活を送る上でトラブルにつながることがわかります。これに対し、MCIの症状は日常生活では大きな支障にはなりません。したがって認知症初期症状とMCIの違いは、日常生活上のトラブルになっているかどうかになります。
◆MCIを放置しないことが認知症予防に
厚生労働省によると、2012年時点でのわが国における認知症患者数は約462万人。これに加え、およそ400万人の人たちがMCIであるという推測もあります。65歳以上の人の7人に1人が認知症ということになりますが、MCIの人数を合わせると、この年代の4人に1人が認知症かMCIの状態にあるのです。さらに、イギリスとイタリアの共同調査によると、1年間でMCIの人の割合が、5年間では約4割が認知症に移行することがわかりました。いったん認知症を発症し、ある程度症状が進んでしまうと、回復しないことも多く、症状を遅らせることもむずかしくなります。
一方、MCIの段階で認知機能の低下を防ぐための適切な対応をすれば、認知症へと進行せずに済むケースもあり、回復の可能性もあるのです。このことから、認知症予防には、MCIの段階でしっかりと対策をすることが非常に有効なことがわかりますね。そのためには、日ごろの生活の中でMCIに気づくことが何よりも大切です。自分自身や家族のことで、以前に比べて何かおかしいと思ったら、物忘れ外来などの医療機関に相談するようにしましょう。
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